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Our Research

​人類の食糧問題を解決する

持続可能な人類のタンパク源として
​注目される「養殖漁業」

地球温暖化ガス産生の21-37%は、食糧生産により排出されると試算されています(Science, 2020)。 養殖漁業による食料生産は環境への負荷が小さく、高効率で飼料がタンパク質に変換される、単位面積当たりの生産量が極めて高い、EPAやDHA等の必須栄養を供給する、といった理由により、人類のタンパク質確保の有力な手段として注目されています。

海水魚は体内でEPAを作れない

EPAは、魚類の発生や生育、感染症に対する免疫応答に必要不可欠な必須脂肪酸です。養殖漁業ではEPAを豊富に含むマイワシなどを魚粉として飼料に加えていましたが、マイワシ等の青魚の漁獲量が著しく減少し、養魚飼料の高騰を招いています。また、環境保全の観点から、徐々に大豆やコーン等の穀物を主成分とする植物性飼料が使われるようになり、世界的にはサケの養殖飼料の75%が穀物を原料としています。

一方、植物性飼料にはEPA等の必須脂肪酸が含まれず、飼料への添加に必要なEPAの量的確保と価格高騰の解消が喫緊の課題となっています。

魚は食物繊維を分解できない

魚類の炭水化物の利用能は陸上の動物より低く、魚種によっても大きな差があります。たとえば、デンプンを分解する酵素であるα-アミラーゼの活性を比較すると、肉食性のニジマスは雑食性魚の金魚の約1/12であると言われています。また、雑食性魚は、肉食性魚と比較して消化管中のβ-グルカン分解酵素の活性が高いことも知られています。しかし、植物繊維であるセルロースを分解するセルラーゼを有する種は存在しません。

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「食べるもの」が少なくなったら、
「食べられない」ものが「食べられる」ようになる
新しい技術を生み出せば良い。

機能性腸内細菌による「養殖技術の革新」

私たちは、琵琶湖固有魚種であるイサザから発見した腸内細菌「GI35株」のEPA生産性に着目。菌を生着させた魚の体内から、EPAを持続的に供給することを可能にしました。
また、私たちは、一部の機能性腸内細菌が腸管内でリグニンとセルロースを分解・食物繊維を消化して栄養素の吸収を促進させることを発見しました。植物繊維を分解する腸内細菌を腸に住まわせることで、これまで「食べられなかった」植物繊維が「食べられる」ようになる可能性があります。

さまざまなはたらきをもつ機能性腸内細菌

私たちは、琵琶湖固有種のイサザやブリ・メダカなど様々な魚類から、100種以上に及ぶ腸内細菌株を樹立しています。この中には、数多くの新種菌も含まれており、また、エイコサペンタエン酸の供給、植物繊維分解、成長促進など、様々な機能を有する菌株が含まれています。

機能性腸内細菌がもつはたらき

EPA供給

植物繊維分解

成長促進

腸内細菌叢改善

感染症予防

​水質浄化

機能性腸内細菌を活用して
魚を元気に、大きく育てる

​腸内細菌株を変えることで魚が1.3倍に成長

ひとつの菌株を用いた実験結果では、ニジマスの稚魚に菌株を一時的に摂取させると、6ヶ月後には約1.3倍に成長することが明らかになりました(特許出願PCT/JP2021/026983)。魚への腸内細菌株の初期投与により腸内細菌叢が改変され、魚の成長を促進します。

対照

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​菌体摂取

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対照

​菌体摂取