

- 2022年11月8日


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- 2022年10月29日


- 2022年9月13日


- 2022年8月13日
水と緑に恵まれた日本には、素晴らしい能力をもった動植物や共生する微生物など、非常に豊かな生態系があります。京大発ベンチャーHOLOBIOは、分子生物学分野の知見から地域固有の生物の機能を発見し、最新の科学技術で解明することで、社会を支える革新的技術を生みだします。
食料生産による地球温暖化ガスの排出は、全体の約20~40%を占めると試算されています (Science 370:705, 2020)。持続可能な方法での食料確保が喫緊の社会課題となっている今、人類のタンパク質確保の有用な手段として注目されているのが「養殖漁業」です。
養殖漁業は少ない面積で高効率に飼料をタンパク質に変換することができ、食糧生産の環境への負荷を減らすことができます。
現状の養殖業の課題となっているのは、飼料用魚種の漁獲量の著しい減少による飼料の高騰です。今後、人類のタンパク源を養殖業にシフトしていくためには、魚粉を主材料とする飼料から脱却し、“農業と漁業を結ぶ”植物性飼料へと活路を見出していく必要があります。
私たちは、琵琶湖固有魚種であるイサザから発見した腸内細菌「GI35株」のEPA生産性に着目。菌を生着させた魚の体内から、EPAを持続的に供給することを可能にしました。
また、私たちは、一部の機能性腸内細菌が腸管内でリグニンとセルロースを分解・食物繊維を消化して栄養素の吸収を促進させることを発見しました。植物繊維を分解する腸内細菌を腸に住まわせることで、これまで「食べられなかった」植物繊維が「食べられる」ようになる可能性があります。
私たちは、琵琶湖固有種のイサザやブリ・メダカなど様々な魚類から、数百種に及ぶ腸内細菌株を樹立。さまざまな機能を有することを突き止めました。これらの機能性腸内細菌を養殖魚の稚魚に投与し、生着させることで魚の腸内細菌層を変え、魚を強く大きく育てます。